メインコンテンツへスキップ
インストール コード例 コードジェネレーター 比較 FAQ ドキュメント このサイトについて(英語) GitHub の PaddleOCR
最新リリース:PaddleOCR 3.7.0(2026年6月11日)· PP-OCRv6 が既定モデルに

PaddleOCR を、
実際に動くコードで解説。

PaddleOCR は、Baidu が開発するオープンソースの OCR / ドキュメント解析ツールキットです。この独立ガイドでは、正しい 3.x のインストールコマンド、そのままコピーできる Python / CLI の例、コードジェネレーター、他の OCR ツールとの率直な比較を紹介します。すべての内容は、本家ドキュメント、PyPI、モデルカードで確認しています。

クイックスタート(CPU・Linux / Windows / macOS)
# 1. 推論エンジンをインストール(CPU 版。GPU 用コマンドは後述)
python -m pip install paddlepaddle==3.2.1 -i https://www.paddlepaddle.org.cn/packages/stable/cpu/

# 2. すべてのパイプライン付きで PaddleOCR をインストール(OCR、PP-StructureV3、PaddleOCR-VL)
python -m pip install "paddleocr[all]"

# 3. サンプル画像で OCR を実行(モデルは初回実行時にダウンロードされます)
paddleocr ocr -i https://paddle-model-ecology.bj.bcebos.com/paddlex/imgs/demo_image/general_ocr_002.png --save_path ./output
91k+
GitHub スター数(2026年10月)
100+
対応する認識言語
96.33%
OmniDocBench v1.6(VL-1.6、自己報告値)
Apache 2.0
ライセンス

最終確認日:。確認元は本家ドキュメント、PyPI、GitHub。事実確認の方法(英語)

1 分でわかる

PaddleOCR とは?

PaddleOCR は、Baidu の PaddlePaddle チームが保守しているオープンソースのツールキットで、画像や PDF を機械可読なテキストや構造化データに変換します。バージョン 3 には、Python または paddleocr コマンドラインから呼び出せる 3 つの主要ツールが含まれています。

  • PP-OCRv6(PaddleOCR クラス)— テキスト行を検出して読み取り、テキスト・ボックス・信頼度スコアを返します。3.7.0 から既定です。
  • PP-StructureV3(PPStructureV3)— レイアウト、表、数式、印鑑、チャートを検出するマルチモデルのパイプラインで、細かい座標付きの Markdown、JSON、DOCX を出力します。
  • PaddleOCR-VL(PaddleOCRVL)— レイアウト解析と 0.9B の視覚言語モデルを組み合わせた、難しい文書向けのパイプライン。GPU での利用が最適です。

CPU、NVIDIA GPU、Apple Silicon、各種 AI アクセラレーター上でローカルに動作します。本家 README には、Dify、RAGFlow、MinerU、Umi-OCR、Cherry Studio、Haystack などが PaddleOCR を基盤とするプロジェクトとして挙げられています。

出力で選ぶテキスト行 → PP-OCRv6 · Markdown / 表 → PP-StructureV3 または PaddleOCR-VL
1 つのモデルで 50 言語PP-OCRv6 は中国語、英語、日本語とラテン文字の 46 言語をカバー
既定ではローカル実行推論は手元のハードウェアで実行。ネットワークが必要なのはモデルのダウンロードだけ
機能

PaddleOCR 3.7 でできること

以下の内容は、本家の README、ドキュメント、モデルカードに基づいています。ベンダー提供のベンチマーク値は、その旨を明記しています。

ドキュメント解析

PDF やスキャンを Markdown・JSON・Word に

PP-StructureV3 は、読み順、見出し、表(セルのボックス付き HTML)、LaTeX 数式、印鑑、チャートを復元します。PaddleOCR-VL-1.6 は、モデルカードによると OmniDocBench v1.6 で 96.33% を記録しています(Baidu による評価)。3.5.0 以降は、どちらも DOCX に出力でき、Word・Excel・PowerPoint ファイルを Markdown に変換することもできます。

100 以上の言語

PP-OCRv6 は 1 つのモデルで 50 言語を読み取ります(tiny ティアは日本語に非対応)。韓国語、アラビア語、キリル文字、デーヴァナーガリー、タイ語、ギリシャ語などは PP-OCRv5 の多言語モデルを使い、PaddleOCR-VL-1.5 以降は 111 言語をカバーします。

PP-OCRv6 の 3 つのティア

エッジ / IoT 向けの tiny(1.5M パラメータ)、モバイル向けの small(7.7M)、サーバー向けの medium(34.5M、既定)。Baidu によると、medium は PP-OCRv5_server に比べて検出が +4.6%、認識が +5.1% 向上しています。

身近なハードウェアでも高速

PP-OCRv6 の公表値:OpenVINO でエンドツーエンドの CPU 速度が 5.2 倍、Apple M4(tiny)で 6.1 倍、A100 で 1 画像あたり 0.13 秒。エンジンは PaddlePaddle、ONNX Runtime、Transformers から選べます。

データのある場所で動く

Linux、Windows、macOS 向けの Python API と CLI、C++ デプロイ、Android / iOS デモに加え、本家の PaddleOCR.js SDK(@paddleocr/paddleocr-js)でブラウザ内で PP-OCRv5 を実行できます。

LLM・RAG・エージェントのワークフロー向け

本家の MCP サーバー(paddleocr-mcp)は、OCR、PP-StructureV3、PaddleOCR-VL を Claude Desktop などの MCP ホスト向けのツールとして公開します。本家の Agent Skills、Python・TypeScript・Go の SDK を備えたホスト型 API、paddlex --serve による HTTP サービングも用意されています。

高スループットの解析

HPD-Parsing(2026年7月)は、カスタマイズした vLLM 上で文書領域を並列にデコードし、ピーク 4,752 トークン/秒を報告しています。CUDA 12.8 以上の NVIDIA GPU と Linux が必要です。

出力エクスプローラー

PaddleOCR が返す結果を見てみる

文書の種類を選ぶと、各パイプラインが返す結果の形がわかります。これは例示用のサンプルで、実際の推論ではありません。自分のファイルで PaddleOCR を試すには、ここにある本家のオンラインデモか、下のコードを使ってください。

サンプル:

ボックスにカーソルを合わせると認識結果が表示されます:

インストール

PaddleOCR 3.7 を正しくインストールする

3.5 以降は、推論エンジンと paddleocr パッケージを別々にインストールします。Python 3.9〜3.13 と、新しい仮想環境を使ってください。

PyPI から pip install paddlepaddle-gpu を実行しないでください。PyPI にある最新の GPU 版は 2.6.2 で、PaddleOCR 3.x には PaddlePaddle 3.0 以降が必要です(PaddleOCR-VL は 3.2.1 以降)。下に示す PaddlePaddle の専用パッケージインデックスを使ってください。必要なのは対応する NVIDIA のドライバーだけで、マシンにインストールされている CUDA ツールキットのバージョンは関係ありません。

環境コマンド備考
CPU — Linux、Windows、macOS(Apple Silicon を含む)
python -m pip install paddlepaddle==3.2.1 -i https://www.paddlepaddle.org.cn/packages/stable/cpu/
推論エンジン。PaddlePaddle 3.x のホイールは Python 3.9〜3.13 向けに提供されています。
NVIDIA GPU、ドライバー ≥ 550.54.14(CUDA 12.6 版)
python -m pip install paddlepaddle-gpu==3.2.1 -i https://www.paddlepaddle.org.cn/packages/stable/cu126/
RTX 30/40 シリーズや A シリーズ GPU に推奨。CPU 版と GPU 版を同時にインストールしないでください。
NVIDIA GPU、ドライバー ≥ 450.80.02(CUDA 11.8 版)
python -m pip install paddlepaddle-gpu==3.2.0 -i https://www.paddlepaddle.org.cn/packages/stable/cu118/
古いドライバー向け。Windows の RTX 50 シリーズには専用のホイールが必要です。
Hugging Face Transformers エンジン
python -m pip install "transformers>=5.10.0"
PaddlePaddle の代替。インストール後に engine="transformers" を指定します。PyTorch も必要です。1 つの環境にはエンジンを 1 つだけ入れてください。
PaddleOCR — すべて
python -m pip install "paddleocr[all]"
OCR、PP-StructureV3、PaddleOCR-VL、PP-ChatOCRv4、翻訳、Office→Markdown。
PaddleOCR — OCR のみ
python -m pip install paddleocr
最小構成。PP-StructureV3 / PaddleOCR-VL を使うには [doc-parser] を追加します。
Google Colab / Kaggle
!pip install paddlepaddle-gpu==3.2.1 -i https://www.paddlepaddle.org.cn/packages/stable/cu126/ && pip install "paddleocr[all]"
GPU ランタイム向け。CPU ランタイムでは、代わりに CPU 用のインデックス URL を使ってください。
Docker(PaddleOCR-VL、NVIDIA GPU)
docker run -it --gpus all --network host ccr-2vdh3abv-pub.cnc.bj.baidubce.com/paddlepaddle/paddleocr-vl:latest-nvidia-gpu /bin/bash
本家のイメージ(約 8 GB)。CUDA 12.6 以上に対応したドライバーが必要です。-offline タグにはモデルが同梱されています。
ブラウザ(JavaScript)
npm install @paddleocr/paddleocr-js
本家の PaddleOCR.js(ONNX Runtime Web 経由の PP-OCRv5)。スコープなしの paddleocr-js パッケージはサードパーティのプロジェクトなのでご注意ください。
AI エージェント向け MCP サーバー
python -m pip install -U "paddleocr-mcp[local-cpu]"
Python 3.10 以上。ホスト型 API だけを呼ぶ場合は [local-cpu] を外します。セットアップガイド。
インストールの確認
# PaddleOCR のバージョン(3.7.0 と表示されるはず)
python -c "import paddleocr; print(paddleocr.__version__)"

# PaddlePaddle エンジンのチェック — "PaddlePaddle is installed successfully!" と表示されます
python -c "import paddle; paddle.utils.run_check()"

# PaddlePaddle から GPU が見えているか(True/False)
python -c "import paddle; print(paddle.device.is_compiled_with_cuda())"

学習、C++ デプロイ、NPU、オフラインインストールが必要ですか?インストールガイド全文とトラブルシューティングをご覧ください。

コピーして実行

PaddleOCR 3.x のコード例

すべてのコードは現在の 3.x API(predict()、device=、結果オブジェクト)を使っています。ocr(img, cls=True) や use_gpu を使う古いチュートリアルは 2.x 向けです。

画像からテキストを抽出する

既定のモデルは PP-OCRv6 medium です。

from paddleocr import PaddleOCR

ocr = PaddleOCR(
    use_doc_orientation_classify=False,
    use_doc_unwarping=False,
    use_textline_orientation=False,
)
for res in ocr.predict("receipt.jpg"):
    res.print()                  # 読みやすい要約を表示
    res.save_to_img("output")    # ボックスを描き込んだ画像
    res.save_to_json("output")   # 完全な結果を JSON で保存

テキスト・ボックス・信頼度

信頼度の低い行を除外します。

from paddleocr import PaddleOCR

ocr = PaddleOCR(lang="en")
for res in ocr.predict("invoice.png"):
    for text, score, box in zip(
        res["rec_texts"], res["rec_scores"], res["rec_boxes"]
    ):
        if score >= 0.80:
            x1, y1, x2, y2 = box.tolist()
            print(f"{score:.2f} {text} @ ({x1},{y1})-({x2},{y2})")

PDF 全体 → 1 つの Markdown ファイル

paddleocr[doc-parser] または [all] が必要です。

from pathlib import Path
from paddleocr import PPStructureV3

pipeline = PPStructureV3()
pages = pipeline.predict("report.pdf")
md = pipeline.concatenate_markdown_pages(
    [res.markdown for res in pages]
)
Path("report.md").write_text(md, encoding="utf-8")
# Markdown から参照される画像: res.markdown["markdown_images"]

表を HTML で取得する

各表にはセルのボックスと、その表専用の OCR が含まれます。

from paddleocr import PPStructureV3

pipeline = PPStructureV3(
    use_formula_recognition=False,  # 不要な処理はスキップ
    use_seal_recognition=False,
)
for res in pipeline.predict("statement.png"):
    for table in res["table_res_list"]:
        print(table["pred_html"])

PaddleOCR-VL(最も難しい文書向け)

既定は PaddleOCR-VL-1.6。GPU を推奨します。

from paddleocr import PaddleOCRVL

pipeline = PaddleOCRVL()   # 既定は pipeline_version="v1.6"
pages = list(pipeline.predict("paper.pdf"))
# ページをまたぐ表を結合し、見出しレベルを再構築
for res in pipeline.restructure_pages(
    pages, merge_tables=True, relevel_titles=True
):
    res.save_to_markdown(save_path="output")
    res.save_to_json(save_path="output")

その他の言語

コードは PaddleOCR 独自のものです。例:arabic ではなく ar。

from paddleocr import PaddleOCR

ocr_ja = PaddleOCR(lang="japan")    # PP-OCRv6
ocr_fr = PaddleOCR(lang="fr")       # PP-OCRv6(ラテン文字)
ocr_ko = PaddleOCR(lang="korean")   # PP-OCRv5 多言語
ocr_ar = PaddleOCR(lang="ar")       # PP-OCRv5 アラビア語
ocr_ru = PaddleOCR(lang="ru")       # PP-OCRv5 キリル文字
ocr_hi = PaddleOCR(lang="hi")       # PP-OCRv5 デーヴァナーガリー

GPU・ティア・エンジン

device は 2.x の use_gpu に代わるものです。

from paddleocr import PaddleOCR

ocr = PaddleOCR(
    device="gpu:0",   # "cpu"、"gpu"、"npu:0"、"xpu:0" など
    text_detection_model_name="PP-OCRv6_small_det",
    text_recognition_model_name="PP-OCRv6_small_rec",
    # engine="transformers",   # または "onnxruntime"、"paddle"
)

フォルダを効率よくバッチ処理する

フォルダやリストを渡せば、Python のループより高速です。

from paddleocr import PaddleOCR

ocr = PaddleOCR(text_recognition_batch_size=16)
for res in ocr.predict("scans/"):          # または ["a.png", "b.png"]
    res.save_to_json("output")
# マルチ GPU / マルチプロセス:並列推論のドキュメントを参照

コマンドライン

サブコマンドが 2.x の --image_dir フラグに代わります。

# テキスト OCR(画像、PDF、フォルダ)
paddleocr ocr -i invoice.png --lang en --save_path ./output

# レイアウト・表・数式 -> Markdown/JSON
paddleocr pp_structurev3 -i report.pdf --device gpu:0 --save_path ./output

# PaddleOCR-VL による文書解析
paddleocr doc_parser -i paper.pdf --save_path ./output

HTTP サービング、MCP、ブラウザ SDK、高性能推論など、さらに多くのパターンはドキュメントにあります。

コードジェネレーター

環境に合わせた PaddleOCR のコードを生成

パイプライン、言語、ハードウェア、出力形式を選ぶと、対応するインストールコマンドと実行可能な 3.7 用スクリプトが得られます。互換性のない選択(たとえば日本語と tiny ティア)は自動で修正し、理由を説明します。

オプション

生成されたコード

比較

PaddleOCR vs Tesseract vs EasyOCR vs Docling vs Surya vs Textract

各プロジェクト自身のドキュメントに基づく機能比較です(2026年10月時点)。ツール間の精度の数値は、意図的に掲載していません。ベンダーごとにテストするデータセットが異なり、数値を並べると誤解を招くためです。同じ条件で比較したスコアは、OmniDocBench リーダーボードをご覧ください。

機能 PaddleOCR 3.7 Tesseract 5 EasyOCR Docling Surya AWS Textract
ライセンスApache-2.0(コードとモデル)Apache-2.0Apache-2.0コードは MIT。モデルのライセンスは様々コードは Apache-2.0。重みは修正版 OpenRAIL-M(収益 / 資金調達額が 500 万ドルを超える場合は有償ライセンス)プロプライエタリ、ページ単位の従量課金
対応言語100+(PP-OCRv6 の 1 モデルで 50、PaddleOCR-VL で 111)100+(言語ごとの学習データ)80+選択した OCR エンジンによる90+6(EN, FR, DE, IT, PT, ES)
レイアウトと読み順ありページ分割のみなしありありあり
表の構造あり — HTML + セルのボックスなしなしありありあり
数式 → LaTeXありなしなしあり(エンリッチメント)あり(HTML 内の数式)なし
ネイティブ出力JSON、Markdown、DOCX、画像テキスト、hOCR、ALTO、TSV、PDFPython のリストMarkdown、HTML、JSON、DocTagsHTML ブロック入りの JSONJSON
オフライン実行可(モデルのダウンロード後)可可可可不可 — クラウド API
ブラウザ内で実行可 — PaddleOCR.js可 — Tesseract.js不可不可不可不可
一般的なハードウェアOCR / Structure は CPU、VL は GPUCPUCPU または GPU(PyTorch)CPU または GPUGPU 推奨マネージド
向いている用途多言語 OCR + 構造化解析、セルフホストきれいな印刷物のスキャン、小さな導入規模PyTorch 環境での素早いプロトタイプRAG のための多様な形式の変換GPU 予算があるレイアウトの複雑な文書AWS ネイティブの帳票と表

出典:PaddleOCR、Tesseract、EasyOCR、Docling、Surya、AWS Textract のクォータ。実践ガイド:tesseractocr.org · docling.org。

PaddleOCR と Tesseract

Tesseract は成熟した CPU 専用の C++ エンジンで、きれいな横書きの印刷テキストに強く、組み込みも簡単です。PaddleOCR の深層学習ベースの検出器は、写真、回転・湾曲した行、CJK とラテン文字の混在、低コントラストのスキャンに強く、さらに表・数式・Markdown 出力も備えています。依存を最小限にしたいなら Tesseract、入力が雑多だったり構造が必要だったりするなら PaddleOCR を選びましょう。

PaddleOCR と EasyOCR

どちらも Apache-2.0 の深層学習 OCR ライブラリです。EasyOCR は API が非常に小さく、PyTorch プロジェクトに向いています。PaddleOCR は、新しいモデル(PP-OCRv6)、ハードウェア別のモデルティア、レイアウトと表の解析、HTTP サービング・ONNX Runtime・C++ といった本番向けの選択肢を備えています。単純な画像からテキスト行を取り出すだけならどちらでも使えるので、自分のデータでベンチマークしてください。

PaddleOCR が最適とは限らない場合

すでに AWS を使っていて、SLA 付きのマネージドな帳票 / クエリ機能が必要なら、Textract のほうがシンプルです。入力が主にテキストレイヤー付きのボーンデジタル PDF なら、PDF テキスト抽出ツール(や Docling)のほうが OCR より高速な場合があります。また、GPU なしの PaddleOCR-VL は遅いため、CPU では代わりに PP-StructureV3 を使ってください。

エコシステム

本家ツールと連携先

モデルの入手先、PaddleOCR をエージェントや RAG システムにつなぐ方法、PaddleOCR を基盤とするプロジェクトを紹介します。

MCP サーバー

AI エージェント本家提供

paddleocr-mcp(PaddleOCR 3.1 以降)は、Claude Desktop、VS Code などの MCP ホストに OCR、PP-StructureV3、PaddleOCR-VL のツールを提供します。ローカル、自前のサーバー、ホスト型 API のいずれでも動作します。

Agent Skills

AI エージェント本家提供

Claude Code など Skills 対応アプリ向けの paddleocr-text-recognition と paddleocr-doc-parsing スキル。ホスト型 API を呼び出すため、AI Studio のアクセストークンが必要です。

本家ウェブサイトと API

ホスト型本家提供

ブラウザ上のデモと、Python・TypeScript・Go の SDK および paddleocr api CLI を備えたホスト型 API。文書は Baidu のサーバーで処理されるため、機密性の高いファイルにはローカル推論を使ってください。

Hugging Face と ModelScope

モデル

PP-OCRv6、PaddleOCR-VL などの重みは両方のハブで公開されています。既定のダウンロード元は Hugging Face で、PADDLE_PDX_MODEL_SOURCE を設定すると切り替えられます(例:BOS)。

PaddleOCR.js

ブラウザ本家提供

ONNX Runtime Web と OpenCV.js で、PP-OCRv5 の検出と認識をクライアント側で実行します。必要に応じて Web Worker でも動かせます。@paddleocr/paddleocr-js をインストールしてください。

vLLM、SGLang、FastDeploy

サービング

本番環境の PaddleOCR-VL では、VLM を専用の推論サーバー(vLLM、SGLang、FastDeploy。compute capability 8.0 以上)の背後で動かし、パイプラインからそれを呼び出します。

Dify と RAGFlow

PaddleOCR 採用

PaddleOCR の README で、PaddleOCR を使うプロジェクトとして挙げられています。自前のパイプラインにつなぐには、PP-StructureV3 を HTTP で提供し、その Markdown をナレッジベースに渡します。RAG 連携を参照してください。

MinerU と Umi-OCR

PaddleOCR 採用

MinerU は文書を Markdown に変換し、Umi-OCR はスクリーンショットや PDF のバッチ処理に使える無料のオフライン OCR デスクトップアプリです。どちらも PaddleOCR の事例集に掲載されています。

Cherry Studio、Pathway、Haystack

PaddleOCR 採用

デスクトップ向け LLM クライアント、ストリーミング ETL フレームワーク、LLM オーケストレーションフレームワーク。いずれも本家の「Awesome projects」表に掲載されています。

FAQ

PaddleOCR のよくある質問

確認済みの簡潔な回答です。必要に応じて、より詳しいドキュメントへのリンクも付けています。

PaddleOCR とは何ですか?

PaddleOCR は、百度(Baidu)の PaddlePaddle チームが開発しているオープンソースの OCR / ドキュメント AI ツールキットです。画像や PDF からテキストを抽出し(PP-OCRv6)、文書のレイアウト・表・数式を Markdown や JSON に変換し(PP-StructureV3)、コンパクトな視覚言語モデルによる文書パーサー(PaddleOCR-VL)も備えています。ライセンスは Apache 2.0 です。

PaddleOCR は商用利用できますか?

はい。PaddleOCR は Apache License 2.0 で公開されており、ライセンス料なしで商用利用・改変・再配布ができます。ローカルで動かす限り、自分のハードウェア以外に費用はかかりません。なお、別サービスとして提供されている PaddleOCR 本家のホスト型 API には独自の利用規約があります。

PaddleOCR 3.x のインストール方法は?

まず推論エンジンをインストールし、その後に PaddleOCR をインストールします。CPU の場合は python -m pip install paddlepaddle==3.2.1 -i https://www.paddlepaddle.org.cn/packages/stable/cpu/ を実行し、続けて python -m pip install "paddleocr[all]" を実行します。CUDA 12.6 に対応したドライバーを持つ NVIDIA GPU の場合は、代わりに python -m pip install paddlepaddle-gpu==3.2.1 -i https://www.paddlepaddle.org.cn/packages/stable/cu126/ を使います。PyPI から pip install paddlepaddle-gpu を実行してはいけません。PyPI にある最新の GPU 版は 2.6.2 で、PaddleOCR 3.x では動作しません。すべてのインストール方法。

PaddleOCR が対応する Python のバージョンは?

paddleocr パッケージ自体は Python 3.8 以降にインストールできますが、PaddlePaddle 3.x のホイールが提供されているのは Python 3.9〜3.13 で、ドキュメント解析用の追加機能には Python 3.9 以降が必要です。実際には Python 3.9〜3.13 を使ってください。高性能推論(enable_hpi)は現時点で Linux x86-64 上の Python 3.8〜3.12 に対応しています。

GPU がなくても PaddleOCR は動きますか?

はい。PP-OCRv6 と PP-StructureV3 は CPU で動作し、PP-OCRv6 には限られたハードウェア向けの tiny / small ティアがあります。Baidu は、PP-OCRv6 で OpenVINO を使うとエンドツーエンドの CPU 速度が 5.2 倍に、tiny ティアでは Apple M4 上で 6.1 倍になると報告しています。PaddleOCR-VL も CPU で動かせますが、本家ドキュメントは本番環境での CPU 利用を推奨していません。スループットが必要なら NVIDIA GPU か専用の VLM 推論サーバーを使ってください。

PP-OCRv6、PP-StructureV3、PaddleOCR-VL のどれを使うべきですか?

テキスト行をボックスと信頼度スコア付きで得たい場合は PP-OCRv6(PaddleOCR クラス)を使います。レイアウト・表・数式・細かい座標を含む Markdown や JSON が必要で、CPU でも動くモデルを使いたい場合は PP-StructureV3 を使います。最高の文書解析精度(PaddleOCR-VL-1.6 の OmniDocBench v1.6 で 96.33%、自己報告値)が必要で GPU がある場合は PaddleOCR-VL を使います。

PP-OCRv6 は PP-OCRv5 から何が変わりましたか?

PP-OCRv6 は 2026年6月11日に PaddleOCR 3.7.0 とともにリリースされました。tiny(1.5M)、small(7.7M)、medium(34.5M)の 3 つのティアが加わり、1 つの認識モデルで 50 言語(中国語、英語、日本語、およびラテン文字の 46 言語)をカバーします。Baidu によると、medium ティアは PP-OCRv5_server に比べて検出が 4.6%、認識が 5.1% 向上しています。PaddleOCR 3.7 の既定モデルです。この範囲外の言語(韓国語、アラビア語、ロシア語など)は、引き続き PP-OCRv5 の多言語モデルを使います。

PaddleOCR は手書き文字を読めますか?

はい、ただし限界があります。PP-OCRv5 以降は活字と一般的な手書き文字を同じモデルで認識し、PaddleOCR-VL は手書きのメモや歴史的文書にも対応します。崩した続け字はどの OCR エンジンにとっても難しいままなので、採用を決める前に自分のサンプルで試してください。

PaddleOCR は文書をクラウドに送信しますか?

ローカルで実行する限り送信しません。推論は手元のマシン上で行われます。ただし、初回はモデルの重みをダウンロードするためにネットワーク接続が必要です(既定では Hugging Face から取得)。ダウンロード済みのモデルを指定すれば不要です。文書がアップロードされるのは、PaddleOCR 本家の API、MCP サーバーの AI Studio / Qianfan モード、オンラインデモなどのホスト型サービスを意図的に使った場合だけです。

PaddleOCR 2.x のコードがアップグレード後に動かなくなりました。何が変わったのですか?

PaddleOCR 3.x には後方互換性がありません。use_gpu=True は device='gpu' に置き換えます(use_gpu は現在「Unknown argument」エラーになります)。ocr(img, cls=True) の代わりに predict() を呼び、use_angle_cls は use_textline_orientation に名前を変え、PPStructure の代わりに PPStructureV3 を使います。結果も入れ子のリストではなく、print()、save_to_json()、save_to_img() を持つオブジェクトになりました。移行表の全体。

PaddleOCR を Dify、RAGFlow、AI エージェントと使うには?

エージェントの場合は、本家の MCP サーバー(pip install -U paddleocr-mcp)をインストールして Claude Desktop などの MCP ホストに追加します。OCR、PP-StructureV3、PaddleOCR-VL がツールとして公開されます。RAG プラットフォームの場合は、PP-StructureV3 または PaddleOCR-VL を HTTP サービス(paddlex --serve)として動かすか本家の API を使い、出力された Markdown をナレッジベースに取り込みます。手順の解説。

PaddleOCR の最新バージョンは?

2026年10月時点の最新リリースは PaddleOCR 3.7.0 で、2026年6月11日に PyPI で公開されました。このリリースで PP-OCRv6 が既定の OCR モデルになりました。PaddleOCR-VL-1.6 は 3.6.0(2026年5月28日)で登場し、高スループットの HPD-Parsing モデルは 2026年7月22日に発表されました。変更履歴。